文中におかしい部分があるか、という問題 その3
次の文を読み、言葉の使い方について、もしおかしい部分があれば指摘してください。
正解はずっと下にあります。
「ご職業は」
「リライターです」
「きょうは何をしていましたか」
「ずっと原稿のリライトです」
「元日にですか」
「はい。大みそかからテレビも見ていないし、一睡もしていま
せん。今も仕事に追われています」
「締め切りはいつですか」
「元旦の夜10時です」
「原稿を納品したら、何をしたいですか」
「カップラーメンでも食べて、早く横になりたいです」
■ 正解
今回こだわる言葉は「元旦」です。
「元旦の朝」や「元旦の夜」という表現はおかしいとよく言われます。
「元旦」とはそもそも「1月1日の朝」、「元日の朝」という意味なので、
「元旦の朝」や「元旦の夜」という表現は誤りというわけです。
この説は私も聞いたことがありますし、皆さんもきっと耳にされたことが
あるかと思います。
マスコミ関係者の多くが使用するマスコミ用表記のバイブル「記者ハンド
ブック新聞用字用語集」には、確かにそのとおりのことが書かれています。
「元旦の朝・昼・夜」という表現は誤りとずばり出ています。
では、「広辞苑」にはどう書かれているでしょうか。
「元旦」とは「元日の朝。元朝。また、元日」との記載がありました。
「広辞苑」の説によるならば、「元旦の夜」や「元旦の朝」などの表現
は必ずしも誤りとは言えないことになります。なぜなら「元旦」とは
「元日」、すなわち1月1日と解釈することも可能だからです。
ほかの辞書も見てみましょう。
「新明解国語辞典」で「元旦」の項目を見ると、次のように出ています。
「元日(の朝)」
ですから、広辞苑の場合と同じです。
「元旦の夜」や「元旦の朝」などの表現は必ずしも誤りではないことになります。
最後に「岩波国語辞典」における記載を紹介します。
「元旦」の項目を見ると、次のように書かれています。
「元日の朝。転じて俗に、元日」
そして使用例として、なんと「元旦の夜」を挙げています。
そこで今回、管理人は正解例を2つ用意しました。
●「記者ハンドブック新聞用字用語集」などのように「元旦の朝・昼・夜」
という表現は誤りとずばり出ている用字・用語集や辞書に基づいて文章を
書くことが義務付けられている記者、ライター、リライターなどにとっての正解
おかしな部分 「元旦の夜」
修正後 「元日の夜」あるいは「1月1日の夜」
●上記以外の人にとっての正解
おかしな部分 なし
※ 参考文献
「記者ハンドブック新聞用字用語集第9版」(共同通信社)
「広辞苑第二版補訂版」(岩波書店)
「新明解国語辞典第二版」(三省堂)
「岩波国語辞典第四版」(岩波書店)
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